お口を大きく開けて、縦3本に揃えた指が入りますか? もし入らないようであれば、顎関節症の疑いがあります。また、「顎から音がする」「食事の時に顎がだるい」「口の開閉時に痛い」といった症状も顎関節症の特徴です。
顎関節症は、顎の関節(顎関節)周辺に起こる症状の総称です。原因はさまざまで、その症状も異なります。当院では、顎関節症を原因から探り、適切な治療法をご提案しています。顎のことでお悩みがあれば、まずは一度、ご相談ください。
顎関節症の代表的な症状
- 音がなる
- あまり大きく口が開かない
- 口を開けようとすると痛い
- 口の開閉時に顎から音がする(カクカク・ギシギシなど)
- 口が大きく開けられない
- 普通に食事や会話をしているだけなのに、顎が疲れる
- 物を咬んだ時に、耳の付け根やこめかみに違和感がある、痛い
考えられる原因
顎関節症の原因は、ほとんどが癖や生活習慣によるものです。顎や周辺組織に必要以上の負荷がかかることで、顎関節症を招くのです。これらは、顎の形や咬み合わせといった物理面だけでなく、ストレスなどの心理面からも影響を受けていると考えられています。
- 歯ぎしり・強い咬みしめの癖がある
- 片側の歯ばかりで咬む癖がある
- 硬い食べ物が好き
- 成長とともに顎が変形してきた
- 顎がもともと小さい
- 普段から姿勢が悪い
- いつも頬杖をついている
- 顎の下に手をおいて眠ることが多い
- うつぶせ寝の習慣がある
- 咬み合わせや歯並びが乱れている
- 奥歯が抜けたままである
顎関節症の治療法
顎関節症の治療法は、原因によって適切なものを選ぶ必要があります。また、ご自身が気をつけて、生活習慣や癖を見直すことも大切です。当院でご提案している保存療法とセルフケアの方法は次のとおりです。
保存療法
スプリント療法
就寝時など、無意識に起きている食いしばりや強い咬みしめ、歯ぎしりなどが原因である場合に用いる治療法です。歯列全体を覆う「スプリント」と呼ばれるマウスピースを装着し、咬む力を分散させます。通常は、夜間数ヵ月の使用で改善が期待できます。
スプリント(マウスピース)は保険治療で作製できます。(3割負担の患者様で約5,000円です。)
セルフケア
安静
強い痛みや炎症がある場合は、まずは安静にしましょう。シップなどを用いて、顎の負担を軽減します。また、顎への負担とならないよう、痛みが引くまでやわらかい食事をお勧めします。
また痛みが強い場合には、鎮痛剤などを投与することもあります。
マッサージ
筋肉がこわばって慢性的に痛みがある場合、血行を良くするマッサージなどを行います。あたためるのも効果的です。
ストレスの軽減
顎関節症の患者様の場合、長時間のデスクワークやパソコン操作などで、無意識に強い咬みしめが生じがちです。できるだけこまめに休憩をとり、強い咬みしめを防ぎましょう。
顎関節症の治療には、適切な診断はもとより、時間と根気が必要になります。顎周辺に何か違和感があるなら、まずは当院までご相談ください。そして一緒に原因を探り、より快適な状態になるよう力を合わせて治療に取り組んでいきましょう。